2012年8月アーカイブ

2012年8月20日

残滓

「私、死んじゃうのかな?」

いつまでも止まらない咳をしながら聞くとママは涙ぐみながら黙って微笑んだ。

「違うよ、悪いバイキンがイタズラしてるだけだよ」

同じように赤い目をしたパパが言った。

「少し休みなさい」

いつものようにママが胸を擦ってくれた。

その言葉のままに眠ったのは憶えている。

そして目が覚めた。



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2012年8月14日

少年

額に流れる汗も拭かずに夢中で遊んだ夏休み。 家に帰ると冷えた西瓜と扇風機。

沢山の宿題は憂鬱だったけど夜空に咲く大輪が全てを忘れさせてくれた。

そんな日々は走馬灯のように過ぎ行き、ふと気が付けばあれだけいた蝉は入道雲と消えていた。

かわりに一匹の赤蜻蛉。  飛び去る姿につられて空を仰いで見えた煉瓦建て。

吹く風に「やあ」と秋の声が囁きました。



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